「価値観」
自由なワークスタイル

　やりたいことはあるけれど、それが会社の業務と結びつかなかったり、ただ単純に入りたい会社が社員を募集していないなど、さまざまな理由で何となくアルバイトや派遣で働いている―――。

　そうした状況に置かれているあなたはどう感じているのでしょうか。
　会社に就職して忙しく働いている同級生と自分を比べて卑屈な気持ちになったり、地に足がついていないような不安な気持ちになったりしているかも知れません。
　○○会社の社員という身分や社会的な地位がないというだけで、人は社会の中で取り残されたような気持ちになってしまうものです。

　でもそれは、大多数の人たちが共通に持っている考えの中に自分を照らし合わせた場合の話です。
　幸せの価値観が人それぞれ違うように、働くスタイルも生き方も、自分が基準にならないといけません。

　東京での生活と仕事に疲れたＧさんは鹿児島に移住しました。
　そこでとりあえず生活する収入を得るために、コンビニエンスストアでアルバイトをしています。
　早番の時は夕方から夜、遅番のときは昼間の時間がほとんど自由です。
　Ｇさんは鹿児島という土地が気に入っていましたから、地元の自然や文化を保存する市民運動に参加しました。
　さらに、コンピュータが扱え、インターネットに関しても少しだけ詳しいということで、市からパソコン講座の講師の依頼をされるようになったのです。
　これはＧさんが時間の融通がきく仕事をしていなければできなかったことでしょう。
　そして、Ｇさん自身の興味と知識と人柄が社会の中での自分の役割を見い出したのです。

　あなたの今の状況は不安定かもしれません。
　でも、Ｇさんのように自分が何をしたいか、何ができるかを考えて実行するには、生活のために働く時間や期間に融通がきく仕事をしていることは、逆に好都合なのです。