「実現」 Bさん ( 26歳 ) の場合 ● 英語が得意で旅行好きのBさんの学生時代 中学生のころから英語が得意だったBさんは、大学でも英文科を専攻し、好きな英語の実力を磨き上げていました。 しかも彼女は、大の旅行好き。 アルバイトでためたお金を全部つぎ込んで、長い休みのたびに何度も海外に行って、バックパッカーしていたのだから、日常会話は問題ナシ。 そのうえ、度胸と積極性もしっかりと身についていました。 そんな彼女にも就職活動の時期がやってきました。 第一希望はもちろん旅行会社。 「大学時代につちかった英語力と海外旅行の知識と経験を活かして、バリバリ働きたい。企業研修やOG訪問もがんばって、大手旅行会社を狙おう!」 ● 念願かなって旅行会社に就職したけど、配属は経理課だった 努力のかいあって、Bさんはみごと大手旅行会社に就職が決まりました。 でも、彼女が配属されたのは、なんと経理課。 ツアーコンダクターや旅行プランナーになることが目標だったのに、得意の英語も海外旅行の経験もまったく関係ない部署で、毎日書類とにらめっこ。 悲しいことに、使われない英語力はどんどん落ちていき、維持するためになんとか夜間の英語学校に通おうとしても、残業が多くてとても通えませんでした。 「自分はいったいどうなってしまうのか、不安と焦る気持ちがつのるばかりだった」と言います。 たまる一方のストレスに、解消方法は食べることだけ。 「食べることしか楽しみがないなんて。しかも、ストレスと正比例に増え続ける体重。私、このまま太り続けるしかないのかなあ、って悲観的になってばかりいました。」 そしてBさんは、どんどん精神的に追いつめられていったのです。 ● 3年間ガマンしたものの、ついに転職を決意 ストレスだらけの毎日で、無駄に時間が過ぎていくのに耐えきれず、彼女は転属願いを上司に提出しますが、実現することなく3年が過ぎました。 「もう限界って感じでした。仕事は毎日つまらないし、太っている自分がいやで、友達と出かけることも少なくなりました。学生時代のハツラツとしていた自分とは別人みたいで、私に未来はないのかと考えると、最悪な気分でした。」 Bさんはここで思い切って会社を辞めることを決意します。 幸い家族も彼女のことを理解してくれました。 「長引く不景気の中、反対するのが当たり前なのに、それどころか早く辞めたほうがいいと賛成してくれている。私の悲惨な3年間を間近に見ていたせいかもしれません。」 そして、退職したBさんは、気分転換と英語力を取り戻すために、がんばって貯めた150万円の貯金をはたいて留学しようと考えたのです。 >> 次のページへ