「決意」
Kさん ( 25歳 ) の場合

大学4年に、将来の方向性を見つけるために留学

 彼女は将来の目標もなく、漠然と学生時代をすごしました。
 「環境を変えて、もう一度自分自身を見つめなおす」つもりもあって、大学4年生の9月、アメリカのワシントン州にある語学学校に留学。
 期間は半年。
 ホームステイをしながら学校に通っていましたが、ボランティアで小学校に勉強を教えに行ったり、友達同士で音楽や旅行を楽しんだりと、留学生活はかなり充実していました。
 「将来どうしたいかを考えなかった。でも結局は、具体的な職種までの糸口は見つけられませんでした。ただ一つだけ分かったことは、得意な英語を活かす仕事につきたいということだけです。」
 そして、彼女は目標が見つからないまま、帰国してしまったのです。

 大学の卒業式にあわせて帰国。
 周囲の友達はすでに進路が決まっています。
 「今後の計画を何も考えないで帰ってきてしまったので、さあ、明日からどうしようって感じで。とにかく英語が活かせる仕事ならいいと思って、外資系企業に片っ端から問い合わせて調べました。」
 銀行や商社や建設会社などは、新卒採用の時期から大幅に遅れているのだから当然無理。
 たまたま見ていた求人情報誌で、英会話の講師の募集を見つけ、「とりあえず英語にかかわる仕事なら何でもいい」と応募し、採用されます。
 初心者クラスの担当として、週4日間、非常勤講師として働きだしたのです。

翻訳をやりたいと決意。でも専門分野の習得方法が分からない

 しかし、英会話学校では満足のいくようなカリキュラムには恵まれませんでした。
 外人教師はレベルの高い英会話のクラスを担当するが、日本人は初心者しか担当させてもらえないのが現状だったのです。
 「中学程度の授業を何度もやるのが、だんだんむなしくなってきたんです。なんだか達成感がないというか。もう少し専門的に英語力を活用できる仕事がしたいのに……」
 毎日思いあぐねていたとき、「ふと、翻訳をやりたいと思ったのです。突然ひらめいたって感じです。英語に触れる仕事なら、きっと充実感がもてるなって。」

 さっそく彼女は翻訳養成所へ。
 第一線で活躍している翻訳家を講師にむかえる高いレベルの夜間コースに入学。
 仕事のあとの勉強はかなりハードでしたが、彼女が望んでいた充実感はあったようです。
 しばらくして、出版社に勤めている友達の紹介で、初めて翻訳のバイトをすることになったのです。
 でも、その仕事はコンピュータ関係の専門書で、書いてある内容が理解できないくらい高度なものでした。
 「専門用語がまったく分からない。ひとことで翻訳といっても、いろいろな分野があることに、このとき初めて気づきました。」

【平田一二に相談】

 翻訳の道をきわめようと心に決めたけれど、専門分野を何にするのかということにつまずいてしまったKさん。
 「これからの仕事の方向性を決めるためにも、早いうちに専門分野の基礎を身につけたほうがいい」という先輩翻訳家のアドバイスで、私のところへ相談に来ました。

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Kさん(25歳)の場合
Bさん(26歳)の場合



平田一二(ひらたつまびらか)

東京生まれ。赤坂小・赤坂中・東海大付属高輪台高卒業、スペインのマラガ国際大学へ留学。' 76年、帰国後に相談室開設。自分の能力や可能性をのばしたいと考える女性のために、≪キャリア留学≫という新しいスタイルを確立して、 先鞭をつけたキャリアコンサルタント。
平成25年10月より下田循環器・腎臓クリニックの相談役に就任する。

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