「成功」
受けた恩は返します


自分の成功や幸せは、周囲の人たちからの理解や協力と助けを借りることによって、生みだすことができるのです。だからそのときは、それまでもらってきたものをずっと抱え込んだままにしてはいけません。それを還元していけば、充実感にあふれた毎日を送ることができます。


 Wさんは28歳。
 高校卒業のあと、旅行・観光の専門学校に2年通いました。
 高校生のころから旅行が大好きで、夏休みや春休みには青春18きっぷで各地を旅していたそうです。

 専門学校を卒業したWさんは、旅行関係の就職を希望しましたが、希望の就職口を見つけることができませんでした。
 1年間、実家でぶらぶらした後、親の勧めもあり、公務員として郵便局で勤め始めます。
 いらい窓口業務を5年間担当しました。
 地元のお客さんたちと窓口で会話することは、とてもやりかいがあるというほどでもありませんでしたが、ベテランになったWさんにとっては快適で悪くない仕事でした。
 ところが、突然の配置移動。
 27歳にして、保険の営業業務に異動になります。

 1年半ほど働いたWさんは、ノックアウト寸前になって、私のところに相談に来ました。
 Wさんの仕事上の悩みをヒアリングすると、おおむね、次のようなことの悪循環でした。

 ・セールストークができない
 ・自分がいいと思うものを、いいと言って人に勧められない
 ・従って、営業成績は一向に上がらない
 ・上司に、くそみそにけなされる
 ・自信喪失

 Wさんは、私との相談の中では、素直にきっちりと話を聞き、的確な質問を返します。
 本人いわく、職場ではうだつが上がらず、自分の殻に閉じこもってしまうとのことですが、プライベートでは素晴らしい趣味を持っています。
 仕事で辛いことがあっても、Wさんを支えてくれた趣味、それは旅行体験記のホームページです。

 昔から旅行が大好きだったWさんは、自分の旅先での足跡、旅先での人との機微を写真と詳細なデータとエッセイで綴っています。
 私も見せてもらいましたが、趣味といってしまうには、あまりにも素晴らしい、良くできたホームページでした。
 Wさんファンも多く、ファンの方からメールがよく来るそうです。
 「Wさんと同じルートで旅行に行きました。つぎはどこへ行くんですか?」と書いてくる人、「駅前でWさんお勧めのアイスクリームを食べておいしかったです!」と書いてくる人。
 このホームページを作っているとき、旅しているとき、Wさんは自分の殻に閉じこもることなく活躍できているようです。
 話してくれるとき、Wさんの目はキラキラと輝いて楽しそうです。
 旅行前にデータを集め、旅先では写真を撮り、現地の人たちと会話し、地元ならではの愉しみを満喫してきて、帰宅後それらを整理する作業が大好きだとのこと。

 そこで、今の趣味を仕事につなげる方法を考えてみるよう提案しました。
 せっかくのWさんだけの財産を仕事に活かすことができれば、Wさんはもっと、いきいきと暮らせるはずだからです。

 旅行で得た経験と貴重な思い出たち……それをWさんは、インターネットで全国に伝えています。
 いまではアクセス数が約13,600件にもなるそうです。
 ネット上で出会った、旅行愛好家の人々に支えられ、励まされ、Wさんのホームページとそして何よりWさん自身が、充実した時間を過ごしています。
 Wさんは、今、トラベルライターをめざして雑誌社で修行中です。
 自分が手にしてきた宝物ともいうべき旅を、今度はもっと多くの人に伝えるためです。


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目の前の選択はすぐにします
すべてに責任を取ります
受けた恩は返します



平田一二(ひらたつまびらか)

東京生まれ。赤坂小・赤坂中・東海大付属高輪台高卒業、スペインのマラガ国際大へ留学。' 76年、帰国後に相談室開設。自分の能力や可能性をのばしたいと考える女性のために、≪キャリア留学≫という新しいスタイルを確立して、 先鞭をつけたキャリアコンサルタント。
平成25年10月より下田循環器・腎臓クリニックの相談役に就任する。

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