「興味」
何をしたいか分からないことが転機
興味のあることが多すぎて、自分がいったい何をしたいのか分からないという人も多いいようです。
それもそうです、20代のうちは誰もが好奇心が旺盛で、あらゆるものに興味を持ち経験しようとします。
だから、ほんとにやりたいことが見つからない、何をしていいのか分からない状況になっても不思議ではありません。
大切なのは、そんな数ある興味の中から、いかに自分が熱中できる『真の興味』に気づけるかどうかです。
大学を卒業してもすぐに就職をする気にはなれなかったNさんは、アメリカ、アジア、アフリカ、ヨーロッパと世界各国を一人で旅行。
現地の人と交流を深めたり、そこの文化や生活に触れることが好きでした。
大学での専攻は英米文学でしたが、訪れる国の言語を覚えたりしています。
また、音楽や映画、舞台など旅行以外にも趣味はたくさんありますが、その中のどれか一つを仕事にする考えはありませんでした。
「趣味は趣味」、そう割り切って、大学卒業後のヨーロッパ旅行を楽しんだNさんは、商社に就職したのです。
でも、3年ぐらいして、
「もっと自分を活かす仕事がしたい」と思うようになりました。
そうはいっても、何をしていいか分かりません。
そんな気持ちで何となく眺めていたある日の新聞に、翻訳募集の広告が載っていました。
その広告には、"海外映画やCS放送の字幕を作成したりする仕事"と書いてありました。
Nさんは、「これだ!」と直感的に思ったそうです。
もちろん映画は詳しいし、海外のニュースや文化だって好きで得意な分野です。
Nさんが趣味として楽しんできたことがすべて活かせる仕事だと思ったのです。
そこでNさんは、さっそく採用試験を受けます。
もちろん、翻訳などは今までにやったことがありません。
大学時代に学んだ英語力と海外で身につけた実践的な経験を頼りに訳文に挑みました。
試験の結果がどうだったかは別として、Nさんは面接で自分の今までの趣味の話や仕事についての思いを話しました。
そんな熱意が伝わったのか、みごと合格。
現在は契約という形で仕事をしています。
「契約ということは、仕事の内容が悪ければすぐに切られてしまうということですが(笑)、自分は今の仕事が楽しいですね。商社をやめて契約社員? なんて、親にはちょっと嫌みを言われたりしますが、だんだん指名でくる仕事も増えてきたし、これで食べていく自信が持ててきました。妥協せず、自分の気持ちに正直になるということは大切ですよ、誰が何と言おうと。」
やりたい事が見つからないというのは、一見、わがままで、かつ不幸なことのように思われますが、その気持ちに素直に行動することが転機となって、得られるチャンスもあるのです。
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