「動機」
Eさん ( 24歳 ) の場合


 Eさんは、建設会社の総務部に勤務している現役OLです。
 単調なデスクワークの毎日を変えるために、彼女はフラワーコーディネートを習い始めました。
 でも、彼女は1年後に会社を退職する予定です。
 それまでのあいだに、自分が本当にやりたいことを見つけだすのが、いまの最大の目標です。

就職 ⇒“事務職・週休2日・制服あり”にこだわった就職活動

 長びく就職氷河期のなかで、Eさんの就職活動はなかなか痛快なものでした。
 「どの会社に入っても配属によってどう転ぶのか分からないのだから、業界や職種にこだわっても意味がないと思いました。だから、そんなことよりも“事務職・週休2日・制服あり”の3点だけにこだわって、就職活動をしたんです。ヘタなえり好みをするよりも、早く就職活動を終わらせたかったから。」
 こうして大学4年の6月にはみごとに建設会社の内定をもらい、周囲の友だちを尻目に就職活動を早々に切り上げてしまったのです。
 彼女は翌年4月に、総務部人事課にて社会保険業務を担当する、いわゆる普通のOLにおさまりました。

模索1 ⇒ 変わりばえのない退屈な毎日。何か新しいことを始めたい

 就職活動がスムーズだったからといって、いまのEさんに悩みがないわけではありません。
 将来役に立つかもしれない仕事ではありますが、残業があたり前の単調なデスクワークの毎日。
 そのうえ、人間関係もどうもぎこちない……。
 「お金をもらうとはこういうことだって、割り切ってやってるつもりです。でも、入社してからずっと、“会社をやめよう”と、“もう少しがんばろう”の繰り返しで、結局、今日まできてしまいました。」
 休日といっても、日ごろの残業疲れを感じつつ、彼氏とデートをするか友だちと遊びに出かけることくらいしかない。
 時間を有意義に使えない自分に、もどかしさを感じていたようです。
 ある日、彼女は雑誌の“おケイコ特集”に目をとめます。
 「その記事には、普通のOLが会社生活にピリオドを打ち、なにか技術を身につけてから転職して、イキイキと働いている人がたくさん登場していました。そのころ、仕事と遊びだけの毎日に物足りなさと不安を感じていたので、私もなにか始めようという気になりました。このままなんとなくOL生活を続けるだけじゃ、自分がダメになっちゃう危機感があったから。」

模索2 ⇒ フラワーコーディネートの教室に通いだす

 「お花に興味があったので、フラワーコーディネートを習うことに決めました。それに、仕事に支障なく通える、週1回土曜日のフラワーアレンジメントの教室を見つけたんです。将来的にはライセンスも取れたらいいなあ、とも思いました。」
 さらにEさんは短期間ではありますが、夏休みを利用してイギリスでフラワーアレンジメントの講習を受けました。
 言葉の不自由を感じながらも、先生や周囲の講習生にたすけられ、短いながらも満足度の高い留学をすることができたようです。
 こうして彼女は、おケイコや留学に投資することが、買い物や食事にお金を費やすことよりもはるかに自分の身になることを深く実感したのです。

模索3 ⇒ 1年後に退職することを決意。自分の目標を探す日々

 けれども、いまのところEさんは、将来フラワーコーディネーターをめざすとは、まだ決めていません。
 自分が本当にやりたいことが何なのか、まだ見きわめ切れていないのが現状だからです。
  「一生仕事を続けることよりも、結婚して家庭を守ることの方に重点をおいているんです。だから、家庭生活を大切にしつつ、趣味や特技を活かせる仕事があれば、自分のペースでやってみたいと思います。」
 お金のためだけのOL生活からぬけ出して、本当の自分が幸せになる道を彼女はまだ見つけられずにいるようです。
 まずは1年後をめどに会社を辞めることが、適職さがしの第一歩となるでしょう。
 「入社した当時から3年間ガマンするか、何かを始めるための資金が貯まったら、会社を辞めようと考えていました。退職までの間に、次に自分が何を始めたいのかを考えたい。もちろんフラワーコーディネートのおケイコも続けていきますが、それだけではなく、新しい分野にどんどん挑戦していきたいです!」



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平田一二(ひらたつまびらか)

東京生まれ。赤坂小・赤坂中・東海大付属高輪台高卒業、スペインのマラガ国際大学へ留学。' 76年、帰国後に相談室開設。自分の能力や可能性をのばしたいと考える女性のために、≪キャリア留学≫という新しいスタイルを確立して、 先鞭をつけたキャリアコンサルタント。
平成25年10月より下田循環器・腎臓クリニックの相談役に就任する。

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