「資格」
Fさん ( 24歳 ) の場合

 Fさんは、がんばって資格を取得して、看護師として病院に勤務していました。
 ところが先輩たちのいじめと過密な勤務シフトに耐えかねて体調をくずし、退職してしまったのです。
 現在は、実家に帰り、マイペースで働きながら自分のこれからを考えています。

就職 ⇒ 看護学校を卒業、総合病院の看護師としてスタート

 高校3年生の進路選択のとき、大学進学も就職もいやだったFさんは、看護師の専門学校に進学することにしました。
 「親戚に医療関係者が多かったせいもあって、強くすすめられました。自分自身、ひとりっ子ですし、なにか資格があったほうが心強いと思ったんですよ。」
 そして、ある国立病院付属看護学校へ3年間通いました。
 さらに国家資格を受験、晴れて正看護師の資格をえたのです。
 看護師となった彼女の就職先は、東京にある総合病院。
 そのなかでも、外科・脳外科・婦人科が一つに集まる一番過酷な部署に配属されました。

退職 ⇒ いじめとストレスに負けてしまった

 張り切って新しいスタートを切った彼女に、試練が待っていました。
 職場の雰囲気が最悪だったのです。
 先輩看護師が、彼女を含めた4人の新人をいじめるのです。
 「たとえば、病院の廊下を歩いていると、『歩き方がなってない!』って注意されるし、患者さんの看護報告を先輩に伝えても無視されちゃうんです。」
 それに加えて過密な勤務体制が彼女を苦しめたのです。
 月に8回の夜勤がある上に、夜勤明けに数時間の仮眠を取ってから再び勤務につかなければならないこともあったのです。
 さらに、「風邪をひいても、高熱がでても、休めないのが当り前だった」と言います。
 ある朝、彼女はベッドから起き上がろうとしました。
 ところが、めまいがして体が起こせないのです。
 それでもなんとか起き上がろうとすると、天井がグルグルと回り出したそうです。
 心身の疲労がピークに達していたのです。
 彼女の病院では、1年間に看護師全体の約3割にも上る、60人もの看護師が仕事をやめて行く。
 そのほとんどが、次に何をしようか決められないままに病院を去っていくのです。
 残念ながら、彼女も新しい仕事が決められないままに、3年3カ月の看護師生活にピリオドを打つことになりました。

充電 ⇒ 青春を取りもどしたい!

 現在、彼女は実家にもどっています。
 そして、近所の病院で産休代理として看護師の仕事をしながら、自分のペースで今後の道をさがしています。
 「看護師の仕事には未練はありません。いままで病院と寮の往復で、遊ぶといっても近くのお店でごはんを食べることぐらい。会話も病院のことばかりになっちゃって、視野がせまくなってました。これからは自分の好きなことをしたり、旅行に行ったりして、どんどん遊ぶつもりです。これからが、私の青春です!」



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平田一二(ひらたつまびらか)

東京生まれ。赤坂小・赤坂中・東海大付属高輪台高卒業、スペインのマラガ国際大学へ留学。' 76年、帰国後に相談室開設。自分の能力や可能性をのばしたいと考える女性のために、≪キャリア留学≫という新しいスタイルを確立して、 先鞭をつけたキャリアコンサルタント。
平成25年10月より下田循環器・腎臓クリニックの相談役に就任する。

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